「読書しない読書会」開催レポート第57回

読書会

2022年10月9日(日)に57回目の「読書しない読書会」をジュンク堂書店 池袋本店にて開催しました。

受付を開始してから1週間ほどで満席となり、7名の方に参加いただきました。
初めての方が5名、リピートで参加いただいた方が2名でした。

明らかに前回よりも満席になるまでの期間は短く、告知しているページのアクセス状況からも興味を持っていただける方が増えてきたようにも、また戻ってきたようにも感じます。全国旅行支援や各種行動制限がなくなりつつある中、週末の読書会のような趣味や文化的なイベントへの参加も増えてくるかもしれませんね。

この開催レポートでは、どのような読書会が行われているのか気になっている方に向けて当日の内容から参加者の声を中心にお伝えさせていただきます。

是非、参加を検討している方は参考にしてみてください。

読書しない読書会とは?

「本の内容」ではなく、「本を選んだ理由」をシェアする会
それが読書しない読書会です。

大型書店にて普段は行くことのないジャンルにあえて行き、そんな未知の世界なのに興味を惹かれる本との出会いを楽しみ、その理由と向き合います。その後、参加者同士で惹かれた理由をシェアします。

接点のないジャンルだからこそ自らを客観的に見ることができ、自らの興味・関心に何かしらの気づきを得る時間を提供しています。

本好きな人から普段から本を読まない人にも気軽に参加いただける読書会であることがウリです。

57回目の読書しない読書会の流れ

9:30|池袋にある喫茶店に集合

各自好きなドリンクを頼み、休日の一杯を味わいながら読書会の企画概要について聞いていただきました。

その中で、この後に向かうジュンク堂書店のどのフロアに行くか、各参加者ごとに用意した普段いかないフロアが書かれたくじを引き、行き先を決めてもらいました。

10:00~11:00|ジュンク堂書店へ

ジュンク堂書店では、各自くじを引いたフロアを中心に約60分、本屋での時間を楽しんでいただき、最後にどうしても気になる本を購入してきてもらいました。

気になる本が次々に現れること、またフロアも思った以上に広くて60分では足りないという声が多かったです。

また日曜日の開店まもないこともあり、フロアによっては人も少なく、集中できたという声もありました。それでも11時前のレジでは有人・無人レジともに行列ができるほどでした。

11:10~13:00|11:10~12:50 「自由学園 明日館」にて「気になった本をシェア」

自由学園 明日館

ジュンク堂から徒歩10分のところにある「自由学園 明日館」へ移動しました。

「自由学園 明日館」は、重要文化財に指定された歴史的建造物です。帝国ホテルなどを手掛けたフランク・ロイド・ライトの設計した建築物としても有名です。

今回はその建築物内にあるDOMANI(ドマーニ)という教室へ移動。

自由学園明日館 読書会

参加各々がジュンク堂書店で購入してきた本を机に出し、なぜその本を買ったのかの理由をシェアし合いました。

読書会参加者が買ってきた本の山

参加者の感想

20代女性(初参加):
『読書をしない読書会』のコンセプトに惹かれて今回参加させていただきました。少し緊張していましたが主催者の三田さん含め、参加者の皆さんがとても話しやすく本当に楽しい時間を過ごせました。

全員参加型で、視野が広がるだけではなく視野が深まった感覚です。

苦手意識を持たずに色々なジャンルの本を読み漁ろうと思います。トートバッグやしおりも嬉しかったです。また参加させてください。ありがとうございました!

30代女性(リピート参加):
久しぶりの参加でしたが、本好きの方と話せて楽しかったです。会社のような限られたコミュニティーから離れて、多様な価値観に触れられて新しい発見でした。

また、私の選んだ本は皆さんよりも砕けた本だったので、浮いてしまっていましたが(苦笑)、今の私にとっては必要なヒントとなる本だと思います。

帰りにパラパラと読んでみましたが、違う言語の本を読んでいなかったので、英語で読む本も面白いと思いました。そして、二冊とも意図したわけではないのに、海外の本を選んでいたことにも驚きがありました。

また都合の良い時に参加させていただきます!

50代男性(初参加):
課題図書なし、推し本もない読書会なので、どうなることかと思いましたが、事前の想像以上に楽しめました。

皆が対等な立場で書棚の前に立ち、その中からインスピレーションに導かれるままに本を選ぶというスタイルがいいですね。

自身で選んだ3冊は、普段なら出逢わないだろうし、書店で目に入っても買わないと思います(本読みの獣道、アウシュヴィッツの図書係、湊かなえのことば結び)

意見交換の場でも、別の軸で選んだはずの二人の本が同じテーマでつながっていたり、選書理由を聞いて好奇心がくすぐられたりと楽しい体験でした。

改めて、「読書しない読書会」って面白いコンセプトだし、ネーミングも秀逸ですね。また参加したいです。

オリジナルトートバックもありがとうございました。絶妙なサイズとかわいいデザインだったので今後活用させてもらいます。

女性(初参加):
いつもに増してわくわくしながら本を選ぶ時間、引き込まれるみなさんのお話。ずっと楽しくて、「面白い」「楽しい」と繰り返し言うしかできなくて、自分の語彙力!と、その低さを恨めしく思ったものです。時間を置いて、あの時感じた楽しさ面白さを少しずつ言葉に。まだ、まとまりないですが、気持ちの鮮度が落ちぬ間に、送ります!…とはいえ、だいぶ遅くなってしまいました。すみません。

楽しかったこと、面白かったこと。

ジャンルと時間が制限された中で「選ぶ」ことで、普段は意識していなかった好み(物資的なこと。表紙の硬さとか、書体や文字の大きさ、行間の取り方とか。)に意識が向いたこと。タイトルや表紙だけじゃなかった。

普段は足を運ばない法律、政治、経済のジャンルで手に取る本は「×教育」「×芸術」「×人間関係(や行動)」であり、自分の興味関心を再認識する時間になったこと。それと共に、そこを起点にそのジャンルにも興味が広がる可能性を見つけました。(あと、ゲゼル本を見つけたときのホーム感にびっくり。ゲゼルはもう、知り合い。)

「私は今こう思っているからこの本手にしたのか」と分析しながら選んでいる自分に途中、気がつく。メタ認知じゃん。

本を選んだ理由から、それぞれの人生の背景を垣間見ることができたように思います。(人生の背景って…言い方が壮大になってしまう…けど、そう思います。)

他者の背景を通して選ばれた本は、特別に感じる。読んでなくても、もう面白い。(そして、その後書店で選書本を見つけると、それぞれの顔が浮かぶようになりました。)

最後に。主催者の三田さんが場の力、ロケーションを大事にされていたことも印象に残っています。場所をここまで考えて開催している読書会が、どれだけあるのだろう。
明日館は温かみのある可愛らしい場所で、訪れたときに気持ちがまたひとつ盛り上がりました。その雰囲気も相まって、本のシェア時間がより豊かになったのではないかと思います。

こんなに素敵な企画と時間を、ありがとうございました。57回も続けていらっしゃることに、敬意を。

次回の読書しない読書会

次回は2022年11月6日(日)9:30より同じ会場にて開催します。

皆様の参加お待ちしています。