
同じ書店で、同じ1時間を過ごしても、人が手に取る本はまったく違います。では、その「選んだ理由」を語り合う輪がいくつも並んだら、どんな時間になるのでしょうか。
第100回を迎えたこの日は、「拡大特別編」として、いつもの約3倍となる30名を超える方にお集まりいただきました。6名ずつのテーブルに分かれてのシェアでは、テーブルごとに盛り上がり方も話の進む方向もまったく異なり、それぞれが密度の濃い時間を過ごしていたようです(参加者31名中、初参加16名)。
天高く馬肥ゆる秋。2026年10月、ついに100回目を迎えた「読書しない読書会」の様子をお届けします。
- 開催回数:第100回(拡大特別編)
- 会場:自由学園 明日館(東京・池袋)
- 書店:ジュンク堂 池袋本店
読書しない読書会とは?

「本の内容」ではなく、「その本を選んだ理由」をシェアする会。それが「読書しない読書会」です。
大型書店で、普段は足を運ばないジャンルにあえて向かい、未知の棚で惹かれた一冊と出会う。その「惹かれた理由」を言葉にし、参加者同士で共有します。
接点の少ない領域に身を置くからこそ、自分を客観視でき、興味・関心の輪郭がくっきりしていく時間です。本好きはもちろん、「最近は読めていない…」という方も気軽に参加できるのが特長で、これまで早稲田大学や和歌山県教育委員会など、教育機関での開催実績もあります。
読書しない読書会@早稲田大学 国際文学館(村上春樹ライブラリー) 開催レポート
和歌山県の新たな読書推進とは?『読書しない読書会』の取り組み
読書しない読書会@那智勝浦町立図書館 開催レポート——読書推進につながる確かな手応え
当日の流れ
今回は拡大特別編として、集合から解散までを自由学園 明日館で行う特別なタイムテーブルで開催しました。
09:50 自由学園 明日館に集合。企画概要の説明

帝国ホテルなどを手掛けたフランク・ロイド・ライトが設計した建築としても有名で、重要文化財にも指定されている「自由学園 明日館」。その一室に集まり、企画の概要を共有するところから始まります。つづいて、この後に向かうジュンク堂書店のフロアを決める「くじ引き」で、普段は行かない棚へと背中を押してもらいます。
この日は気持ちのよい秋晴れ。庭の芝生には木々の影が色濃く映り、教室にも秋の日がたっぷりと差し込む、素晴らしい天候に恵まれました。

10:15〜11:30 ジュンク堂書店 池袋本店で選書

徒歩でジュンク堂書店 池袋本店に移動し、約1時間、興味を惹かれる本やその場で目にしたものとひたすら向き合います。スマホで調べたり、ベストセラーを追ったりする必要はありません。心を動かす刺激があったら、その理由を追求し、特に気になった本を購入して戻ります。
11:45〜13:15 自由学園 明日館に戻り、「理由」のシェア

明日館に戻ったら、温もりある木造の校舎内の教室で、6名ずつのグループに分かれてシェアの時間です。購入した本や、書店で感じたことを順番に共有していきます。感じたことに正解も間違いもありません。コーヒーや紅茶、焼き菓子をお供に、それぞれの「選んだ理由」に耳を傾けました。
各テーブルの進行は、これまでリピート参加いただいた方々にお願いしました。また、今回のためにテーブルごとの進行を助けるアイテム「プレイキット」も用意し、30名を超える規模でも、一人ひとりが話し、聞くことのできる場をつくることができました。
13:15〜13:30 まとめ・撤収
最後に全体で今日の時間を振り返り、解散となりました。
100回目を迎えて

最初の開催は12年前。コロナ禍の期間を除き、ほぼ毎月開催を重ねてきたことが、100回という形になりました。
そして100回目にして、30名を超える方に集まっていただける会になったこと。テーブルの進行役を快く引き受けてくださった方々をはじめ、一人ではなく、多くの方に支えられて今があることを改めて実感する一日でした。

会場には記念のフォトブースも用意し、丸善ジュンク堂書店の公式キャラクター「つんどくず」のぬいぐるみと一緒に、選んだ本との記念撮影を楽しんでいただきました。
参加者の声
第100回は31名にご参加いただき、うち16名が初参加でした。自分では手に取らない本との出会いはもちろん、ほかの人の選書や「選んだ理由」を通して、自分の興味の輪郭に気づかされたという声が多く寄せられました。

「本はその人の『今気になるもの』を映している」——初参加
100回開催、おめでとうございます!
記念すべき回に参加できたことを嬉しく思います。企画に準備に、ありがとうございました。
■感想
●10人10様の選書で、いずれも自分では気が付かない本ばかりで、「こういう切り口の本があるのか」と面白く感じました。
●選書理由から、本はその人の「今気になるもの」「今必要としているもの」を映していると感じました。もし、それが潜在的なものだとしたら、今日の本との出会いは必然ですね。
●違うフロアで探しあった本の紹介も面白いですが、同じフロアを選んだ人同士でも選書を共有することも、自分のアンテナに引っかからなかった本と出会えるので面白いかしれないと思いました。
●ジュンク堂のフロアマップが変わったようです。たまに確認されると良いかもしれません。(想定と違うこともまた、新しい本との出会いがあるかもしれませんが。)
「人は日頃の習慣から中々抜け出せないな」——初参加
初めて参加しました。
この会の趣旨を踏まえると、普段関心のないコーナーへ意図的に行って、そこで感じた気付きや刺激に導かれて日頃手に取らないであろう本を購入してシェアするという認識ですが、関心のないコーナーに行ってみても、日頃読み親しんでいるジャンルに目がいってしまい、それを手に取っている自分がいて、人は日頃の習慣から中々抜け出せないな、と改めて気付かされました。
日常生活の中で、読書と言った趣味の話をする機会が中々無い中、この会の存在、またこの会に参加できた事自体が印象に残りました。
特に、書籍購入後のシェアの時間では、自分の読書のレンジに重なるもの重ならないものがあり、また、紹介書籍を選ばれた方々の物の見方・考え方に触れて、自分とは違う価値観からの学びがありました。
日頃触れる事がない分野の本棚に囲まれながら本を選ぶという行為は、背表紙の題名・装丁から内容を想像することが自分の思考を刺激し、その刺激から、このジャンルの歴史とか、概要を記した入門書がないかな〜、と日常の読書とは違う読書体験をしてみたいなという思いに駆られたのでこれからは、日頃回らないコーナーにも足を運ぼうと思いました。

「『自由に話していい』場をまとめるのは時間が読めなかったり」——2年ぶりのリピート参加
久しぶりに参加しました。今回は一部で進行も担当するということで、わりと緊張して参加しました。会場についてから、あぁ今日は本を一冊買う必要があるのかと思い出したくらいでした。システムエンジニアとしてシステム開発を担当して、1年以上毎日進捗確認会議を進行していたので進行は慣れているかと思いきや、「自由に話していい」場をまとめるのは時間が読めなかったり、どれくらい相槌を打つのかも難しくて、これを100回も続けておられるみたさんはすごいんだなと思いました。
今回は3階に行き、本はタバコについて書かれているエッセイを買いました。この本は平積みされていたので、歩いていて表紙が目に入りました。タバコってすごく過激に嫌ってる人が一定数いる気がします。私もタバコは吸いませんが、私は工場部門も使うシステムを担当していた経験からタバコを吸う人はすごく身近にいて、タバコに関して何の感情もない人間です。タバコを過激に嫌う人に抵抗感があります。法律違反でもないのによくそんなに過激に嫌えるな、と。
過激になって良いことってないと思うんですよね。例えば、揚げ物って身体に悪いのは事実です。でも、仕事で疲れた時に唐揚げとかロースカツ食べると一気に回復して、肉と油って身体を作ってるんだなと実感します。普段から「揚げ物食べるとか頭おかしい」とか言ってると、それが自分への呪いになって、いざ揚げ物食べてしまった時にその呪いにかかって自分が嫌になると思います。そんなこと思う必要はないのに。という点で、過激なことを言うと、他人に避けられるだけでなく自分の首まで絞めてしまうなと思い、過激なことは言わないようにしようと思っている今日この頃です。改めて今回はありがとうございました。100回開催おめでとうございます!

「ほかのテーブルの本の選書を見るのも楽しかったです」——リピート参加
本日はありがとうございました。
今日は普段なら選ばない本を選ぶと決めていたので新たな本と出会うことができました。
最後にほかのテーブルの本の選書を見るのも楽しかったです。気になって買わなかった本とかもあったので。
また機会がありましたら参加させていただければと思いますので、その際はよろしくお願いします。
「久々に本を選ぶ楽しさを味わえました」——初参加
久々に本を選ぶ楽しさを味わえました。他の方のそれを選んだ理由や、選ばなかった本の理由をお聞きできるのも興味深かったです。ご企画ありがとうございました。通常回はプラチナチケットだと思いますが、またご縁があれば参加させていただきたいと思いました。

次回開催のご案内
次回の開催日は現在準備中です。決まり次第、X(旧Twitter)と本サイトでお知らせします。X ではキャンセルが出た際にも投稿していますので、フォローしてお待ちください。
101回目以降も、皆様のご参加を心よりお待ちしております。

