第30回目を迎えて思うこと

読書しない読書会

先日、「読書しない読書会」は30回を迎えました!!
今回は、30回目を迎えて知人からいろいろ聞かれて、その内容をインタビュー形式でまとめていただいたのでそのまま掲載させていただきます。

「読書しない読書会」30回目を迎え、今どのようなことを思いますか?

三田:回数としては30回ですが、年数としては第1回から3年が経ちました。3年間続けられたことは、1つの成果だと思っています。率直に嬉しいです。
初期の頃から欠かさず参加してくださる方、何度か来てくださっている方など、参加者の方が継続して来てくださっているのも嬉しい点です。
私としても毎回、この会が楽しくなっていますし、いい場になっていると客観的に思っています。

途中、続けたくないと思ったことはあったのでしょうか?

三田:続けたくないと思ったことはありませんでしたが、最初の頃は参加者がなかなか集まらなくて続けられないのではと思うことはありました。
しかし、2~4人でも続けていました。
なぜなら、「読書しない読書会」の内容は少人数で取り組んでも楽しい時間を過ごすことができるからです。極端に言えば、1人でも取り組むことができます。
私にとって1ヶ月に1回のペースで本屋さんに行くこと自体がいい時間であり、好きな時間なんですね。

複数人いると、感想や本を選んだ理由をシェアすることができるので、より深イイ時間にはなりますよね。そんな事を考えて続けてきました。

継続して開催できている秘訣・ポイントについて教えてください。

三田:自分が参加者として取り組んだ場合に楽しめるか、飽きないか、ということをポイントとして企画しています。一ヶ月に一度の「楽しみな日」の一つという感じでしょうか。

参加者として飽きない企画だと思っているからこそ続けたいですし、より楽しい時間になるよう、細かいところも改善していくように心がけています。
例えば、食事をするお店選びも、料理の注文を失敗したこともありました。そういうことを一つひとつ振り返って改善していくようにしていました。

また、成功したと思えることでもあえて変更して、違う形で次回以降に取り組んでみるということもやってきました。例えば、「読書しない読書会」というタイトルも、以前は違うものをつけていて2度の変更を経て現在のタイトルになっています。

うまくいっていると思っていることを変えることは勇気がいります。しかしあえてそれに取り組んでみるようにしています。

10回をひとつの節目とすると、10回目、20回目、30回目と3回目の節目です。
それぞれを振り返ってみて思うことはありますか?

三田:10回目、20回目、30回目で感じている読書会の良さが変化しているように思います。

10回目までは、そもそもタイトルが決めきれていなかったとおり、イベントの良さをぼんやりとしか認識できていませんでした。本当の良さがわかってきたのは、20回目くらいからですね。私がやりたかった「感性を磨く」ということに取り組めている実感がわいてきて、主催者としても参加者の方に質問できるようになってきました。この頃から進行にも余裕が出てきたと思います。

そして、最近では定員いっぱいの参加をいただいていますが、その様になり始めたのは2016年11月頃、第15回目頃からでしょうか。その後も時には人数が少ないこともありましたが、その場合も三連休の中日であったり、世間的な行事と重複していたり、告知が直前になってしまったりなど、参加者数が少ない理由がわかるようになってきました。

なにより読書会を通して自分が成長していっていると思っていますし、前に参加してくださった方がまた参加してくだされば、私の印象も以前と変わっているかもしれません。
成長の要因は、「自分で考えれる」ようになってきたこともありますし、皆さんからの一次情報に触れ続けている影響が大きいのではないかと分析してます。世の中は2次どころか3次、4次情報に溢れていますからね。質の会話ができていると思っているのです。

また、継続して参加してくださっている方の変化が見えるところも嬉しいですね。
読書会だけの影響ではないかもしれませんが、参加者の方が新しいことに取り組まれている話をお聞きすると、いい方向に向かっているのかなと思い、嬉しくなります。

では、30回目の今回はどんな会でしたか?

三田:今回は、学生の方が2人参加してくだいました。普段は社会人の方がほとんどですので、めずらしいと思いました。
また、その学生のうち一人の方が台湾出身の方で、台湾から見た視点で話をしてくださったのが興味深かったです。やはり日本人だけで話しているのとは違い、議論が深まり、盛り上がるきっかけになったと思います。

今回は、ジュンク堂 池袋本店で開催したのですが、6人もの方が連続で4F(人文・教育・心理)のフロアをくじで引いており、驚きました!確率は、1/6の6乗、つまり1/46656=0.0021%ですからね(笑)。
また、同じフロアだからといってもまったく違う本を選ぶことも当然あり得るのですが、仏教や神や祈りなど宗教関係の本を選んでいる方が多かったように思います。これは、この日が東日本大震災の起こった3月11日だったということも影響しているのかもしれません。

31回目、そして、100回を目指すと公言されていますが、そこに向けて一言お願いします!

三田:毎回、読書会終了後にすぐ来月の会が楽しみになっています。
こんなに楽しみに思えることってあるんだ、何でこんなに面白いんだろうと毎回思っています。しかも読書しない読書会から派生したアイデアもあって、、、時間も身体も足りなくて困ってますよ。
とはいえ、来月も楽しみに、一歩づつ淡々と続けていきたいです。

この楽しみを繰り返していたら、あっという間に100回目になっていそうですよね(笑)

-完-

私が選んだ3冊をご紹介!

今回私は、8階(語学・学習参考書・児童書)、9階(芸術・洋書)フロアを見て回ることになりました。その中でも特に、9階の美術コーナーに目が行きました。

映画を撮った35の言葉たち

毎週、映画館で過去の名画が上映されている「午前十時の映画祭(リンク:http://asa10.eiga.com/ )」に私は毎週行っており、1年間で30作品くらいを見ています。
これは、私が映画が好きなこともありますし、5~7年後くらいには映画を撮りたい!という夢もあるからです。
今回、選んだこの本には、監督たちのアイデンティティがまとめられています。映画監督をしている人がどのように世界を見ているのかというのは興味があったので、まずはそのアイデンティティから理解したいと思い、購入しました。

Another London

今年、ロンドンに行きたいと考えているのですが、ロンドンについて詳しく知らないため「ロンドンの写真を見てみよう」とふと思い、この本を手に取りました。
しかし、本に貼られた書店員さんが書いたメモを見ると、1980年代のロンドンオリンピックと同時期に行われた展覧会のガイドブックでした。

書店員さんのメモ
書店員さんのメモ

写真は白黒で、ロンドンの有名ではない場所ばかりが載っていました。私が想像していた旅の参考になるようなカラーの写真とはまったくイメージが違ったのですが、開催国のいい面がピックアップされやすいオリンピックとの対比としてまったく違う面のロンドンが載っているところに衝撃を受け、購入しました。
2020年の東京オリンピックについても思いを馳せながら、読んでみたいと思います。

参加者から頂いた感想

今回、参加してくださった方の感想を一部、ご紹介します!

普段は気の向くままに本を購入していて、自分や他者の本の選び方についてなど考えたこともなかったので、非常に刺激的な体験でした。

皆さんの購入理由を聞いていて感じたのは、本の中身にある程度目を通してから購入を決めている方が多いということです。比べて自分は、タイトルを含めた表紙・帯、著者と経歴そして出版年ぐらいしか目を通していないことが多くあると気づかされました。とても面白い気づきでした。

「1カ月後は自分が変わるから選ぶ本も変わるだろう」とおっしゃっていたのがすごく心に残っています。自分が選んだ本を通して自分の変化を見つめるなんて考えたこともなかったで、目からうろこでした。 書店に足を運ぶ楽しみがまた1つ増えました。

このような有意義で新鮮な経験をさせていただく場を設けてくださったことに心から感謝申し上げます。 非常に緊張しましたが、本当に楽しかったです。 本日はどうもありがとうございました。

今回も良い雰囲気の中での会でした。 皆さんのコトバからヒントをもらい、自分で話すことで自分の気持ちを再確認することが出来ました。実りある時間となりました。 ありがとうございました。

とても楽しかったです。本を選ぶ理由という行為にその人の今の事情や悩みが凝縮されていて、見知らぬ人のそれを聞くことにどこかラジオ番組めいた昂揚感がありました。

次回の読書しない読書会は、4月22日(日)にブックファースト新宿店で開催します。
たくさんのご参加、お待ちしています!