満席が続く「読書しない読書会」第93回レポート—本を読まなくていい、でも深い対話が生まれる理由

満席が続く「読書しない読書会」第93回レポート

口コミで知った、という参加者が現れるようになりました。

申し込み受付から半日ほどで満席になることも増え、「やっと参加できました」という声も届くようになっています。2026年3月、第93回の「読書しない読書会」が開催されました。

読書会に興味はあるけれど一歩踏み出せていない方に、当日の様子をお伝えします。

  • 開催回数:第93回
  • 会場:自由学園 明日館(東京・池袋)
  • 書店:ジュンク堂書店 池袋本店

桜が咲き始めた、明日館

自由学園明日館

会場となった自由学園 明日館は、池袋の喧騒からすこし奥に入った場所にあります。フランク・ロイド・ライトが設計した歴史的建造物で、ベージュ色の外壁と緑青色の屋根が特徴的な、静かな佇まいの空間です。

自由学園明日館

この日、敷地内の桜はまだ固い蕾のまま、枝を空に向けて広げていました。足元には春の野草が芽吹き、庭の隅には白や紫の小花が控えめに咲いています。

あと一週間もすれば、枝いっぱいの桜が明日館の屋根を縁取るはず——その手前の、静かな期待感の中での開催となりました。

来年こそ、満開の桜と一緒にこの会を楽しめることを、今から楽しみにしています。

読書しない読書会とは?

和歌山県立紀南図書館

「本の内容」ではなく、「その本を選んだ理由」をシェアする会。それが「読書しない読書会」です。

大型書店で、普段は足を運ばないジャンルにあえて向かい、未知の棚で惹かれた一冊と出会う。その「惹かれた理由」を言葉にし、参加者同士で共有します。

接点の少ない領域に身を置くからこそ、自分を客観視でき、興味・関心の輪郭がくっきりしていく時間です。

本好きはもちろん、「最近は読めていない…」という方も気軽に参加できるのが特長で、これまで早稲田大学や和歌山県教育委員会など、教育機関での開催実績もあります。

当日の流れ

10:00 ジュンク堂書店近くの喫茶店に集合

カフェ

各自好きなドリンクを手に、企画の概要を共有するところから始まります。つづいて、その後に向かうジュンク堂書店のフロアを決める「くじ引き」で、普段は行かない棚へと背中を押してもらいます。

ノベルティ

初参加の方には、オリジナルトートを含むノベルティをプレゼント。

10:30〜11:30 ジュンク堂書店 池袋本店で選書

ジュンク堂書店 池袋本店

約60分の自由時間で店内を周遊します。スマホで調べたり、ベストセラーを追ったりする必要はありません。ただ棚の前に立って、「なんとなく気になる」という感覚を頼りに一冊を選び、最後に購入して集合します。

11:40〜13:30 自由学園 明日館でシェア

自由学園明日館

ジュンク堂から徒歩約10分、重要文化財「自由学園 明日館」へ移動します。帝国ホテルなどで知られるフランク・ロイド・ライト設計の建築としても有名です。

100年を超える年月を経た建築の、往時の姿に思いを馳せながら庭を抜け、温もりある木造の校舎内へ。

自由学園明日館

かつての面影を色濃く残す教室に腰を下ろすと、いよいよ本番です。参加者それぞれが購入した本と「選んだ理由」をシェアする時間が始まります。

他の参加者の話を聞いていると、同じ書棚にいたはずなのに見ているものがまったく違うことに気づきます。それぞれの「気になる」の背景に、その人の今が滲んでいる——そんな時間です。

参加者の声

満席が続く「読書しない読書会」第93回レポート

「1日、ここにいられるわ、と思う書店でした」

今まであまり足を運ばないコーナーに行ったものの、気になる本がどんどん出てきて、手にとっては戻し、手にとっては戻しを繰り返していました。ジュンク堂は置いてある本も、並べ方もかなり考えられているのかな、と思いました。

皆さんの本選びのお話も面白く、どんどん話されるから、黙っててもいいなー、と聞いていました。連絡先を交換していないから、あのメンバーにはもう会えないのか、というのが帰ってから少し残念に思いました。来月はもう満員ですが、少ししたらまた参加してみたいと思います。

ビブリオバトルには参加したことがあって、あれも新しい本との出会いになるんですが、票が入らないととても悲しいので、読書しない読書会の方が傷つかなくていいなあ、と思っています。今日はとても楽しく、参加して良かったです。

「へぇ、こんな本あるんだ、で終わらせなかった」

普段はじっくりと眺めないジャンルの本棚を眺めているうちに、馴染みのないなかにも、だんだんと自分の好みが浮かび上がってくるのが面白かったです。必ず一冊は買う、という意識で本を探したおかげで「へぇ、こんな本あるんだ」で終わらせず、内容をしっかり吟味できたことが良かったです。

「SNSでは味わえない対話体験でした」——初参加・読書会も初めて

とても楽しく、興味深い時間でした。選んだ本は人それぞれ違うけれど、どの参加者の方も「自分とは違う視点の意見を聞きたい」という感覚を持っているのを感じて、面白かったです。SNSでは味わえない対話体験だったと思います。

私は初参加で、そもそも読書会自体が初めてでしたが、雰囲気が穏やかだったので緊張せず楽しめました。必ずしも読書が好きである必要はないのも良かったです。またぜひ参加したいです。ありがとうございました。

「帰宅してから、少しだけ名残のような寂しさがあって」——リピート参加

引っ越しをして新しく本棚を買ったこともあり、「新しい本棚に置く本はぜひあのWSで買いたいな」という動機での参加。コロナの期間はご無沙汰だったのですが、久しぶりにリピート参加になります。電子化を進めていたこともあり、本は1冊だけ買うつもりだったのですが、楽しい気分になって結局3冊買ってきました。

参加者同士のシェアタイムも後半になると少しずつ緊張もほぐれて、派生した話題で盛り上がったり脱線したりしながら、いろいろなトピックが語られていたのが印象的でした。ランチでも同じように、いろいろな話を聞いたり話したり。帰宅してから、少しだけ名残のような寂しさがあって、ああ、本当に楽しかったんだなと思いました。

偏見も入っていますが、やっぱり本を読んでいる人たちって、想像力があって、「わからなさ」に対する耐性もある気がします。とても、いい時間でした。

次回開催のご案内

次回は2026年4月26日(日)の開催を予定してします。

申し込みはイベント予約サイト「Peatix」より受け付けています。また、X(旧Twitter)でも開催と同時にご案内していますので、フォローしてお待ちください。

皆様のご参加を心よりお待ちしております。

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