苦手意識の裏には得意なことが。ベスト&ワーストテンを考える楽しさ

読書しない読書会
はじめて池袋で開催!

これまで新宿を拠点としていた「読書をしない読書会」ですが、先週末は、はじめて池袋で開催しました。

ジュンク堂 池袋本店さんは、地下1階から9階まであり、広いフロアにぎっしり本が並んでいます。しかも本を平積みしたり、表紙が見えるようにディスプレイする書店が多い中、ジュンク堂 池袋本店さんは、棚にぎっしり本が並んでいて背表紙しか見えません。

それもあってか、私がくじ引きで当たったエリアは「8階:語学・辞書・学習参考書・児童書 / 9階:芸術書・洋書」と2フロアを回れるにも関わらず、時間内に見ることができたのはたった3棚ほど。それは1フロアの1/8ほどです。

それだけ書籍の種類が多く、関心を持つ本が多くあり、ジュンク堂書店としての魅力を感じる時間にもなりました。

今回、最初に手にしたのは、映画雑誌「映画芸術」です。

私は昨年から「午前十時の映画祭7」で上映される名作鑑賞を続けていて、あと少しで全29作品の鑑賞を終え、「金の殿堂」にエントリーできるところまで来ています。内容はもちろんですが、一昔前の作りだからこその面白みを感じています。

たとえば、モノクロ映画ではあたりまえですがシーンの色を想像します。
また現在の映画のようにCGなどを用いて丁寧すぎるほど細部までストーリーが途切れることなく、カット間でかなり話が飛ぶことも多いです。

ただ、その「間」があるからこそ、能動的にその「間」をみずから創作していく。
そういった妄想が、受け身になりがちな今の映画よりおもしろく感じます。

そんな訳もあって体が勝手に映画コーナーに向かいました。

これまで映画雑誌は読んだことがなかったのですが、「日本映画ベストテン&ワーストテン」という文字が目に飛び込みました。「ワーストテン」に、すごく興味がわいたのです。ベストテンやランキングはよく目にしますが、ワーストテンという切り口に新鮮さを感じました。

  • どういう視点でワーストを書いているのだろう?
  • リスクを負わないと、ワーストなんて書けないのでは?

そんな考えが頭をめぐり、ワーストという視点から何か新しい価値が得られると思いました。

ベストテンとワーストテン

物理学の基本原理に作用と反作用があるように、ベストがあったらワーストがあるのは普通のことではないか。コインの表裏のように「好き」があれば「嫌い」がある。
どちらか片方ではなく双方を知ることが大事なのかもしれないと感じました。

好きなことを考えることはよくありますが、自分が嫌いなことを考えてみると意外と難しい。

これまで読んだ好きな本は答えられても、嫌いな本はなかなか思い出せない。

嫌いなことや無意識に避けていること、苦手なことにあえてフォーカスしてその原因を発見できたら、自分をさらに深く知ることになるのでは。

そんな新しい切り口の探求を楽しんでみようと思います。

他にも3冊購入しました。

あわいの力 「心の時代」の次を生きる

「あわいの力」は、表紙を見て100年後を見据えている本だ!そう思いました。
ちょうど前回の「読書をしない読書会」で、100年前の作品に興味を持っていることをお話ししていたので、そこから繋がりを感じて手にしました。

著者が能楽師ということにも興味を持ちました。

マンガで教養 やさしい落語

「やさしい落語」は、読書しない読書会以外に企画している4コマ プレゼンの大事なポイント「オチ」を学ぶためにために購入。

ジャズのすゝめ (Rittor Music mook)

「ジャズのすゝめ」は、ジャズが好きで家でも良く聴いていますが、ジャズの世界のことをあまり深く知らないので今回を機に購入。
購入後、さっそくジャズ喫茶に足を運んでみました。

19回目を終えて

「読書をしない読書会」は、普段はいかないジャンルのコーナーへあえて行って、そこで素直に感じた気付きや刺激をシェアする場です。

ただ「いい意味」で何度もこの会に参加してくださっているリピートの方にとっては普段行かないジャンルがなくなりつつあります。

それでもリピート頂く人の中には「普段行くジャンルのコーナーでも、絶対に買わない本って何だろう?」「人気がある本なのに、買わないのは何故だろう?」と、さらに自らでテーマを作って探求をされていました。

その様子を拝見し、なんだかとても嬉しくなりました。

参加者の方が、自ら考え、自ら課題を創作して楽しむ、そんな場をこれからも作っていきたいと思います。

参加者の感想シェア

お茶しながら参加者が語りあう、本を購入するまでの思考の流れなど、知的好奇心を刺激されました。今後の本屋での過ごし方の参考にもさせていただきたいと思います。

日々のあらゆる視点や選択肢は、思いの外、限られていたのだということを実感しました。この企画はシンプルな行程ながら、とても奥が深いと思います。感じ方は人それぞれでしょうが、わたしにはリフレッシュ感・デトックス感が強かったです。周りにも紹介し、自分もまた参加させて頂きたいです。貴重な時間をどうもありがとうございました。

▼次回の「読書しない読書会」
3月26日(日) ブックファースト新宿店