明治の文豪にハマり、100年後にも読まれる本とは?を考える

本のみかた 18回レポート
18回目の「読書をしない読書会」も刺激的な会でした。

私よりも年配の方々に参加頂けたこともあり、豊富な人生経験や教養をお持ちのみなさんと本について語る時間は、心からワクワク、いや、むしろゾクゾクするほどでした。
こういう時間を毎日過ごしたい、私はこういう時間が好きなんだ、と改めて強く感じました。

私が選んだ3冊

今回、私はくじに書かれた行き先は、4階の理工学書・建築・コンピューターのフロア。
その中で私が選んだ本はこの3冊。

ちょうど紀伊國屋書店 新宿本店さんで、科学フェアが催されていて、「フェアには騙されない!」そう思っていたのに、結局、科学フェアに戻って本を選びました。

「種の起源(上)」は、疑いもなく理論を受け入れているけど、読んだことがなく新鮮に見えたので手に取りました。

「ロウソクの科学」と「ねじとねじ回し」を選んだのは、この2冊の間に「ゼロからトースターを作ってみた結果」という本があったから。この本の左右にある本はおもしろいに違いない、そう思ったのです。

私にそこまで思わせる本、「ゼロからトースターを作ってみた結果」について、もう少しお話させていただきます。

ゼロからトースターを作ってみた結果

この本は、2016年に私が読んだ本のベスト3に入るくらい、大好きな本です。
当時の大学院生が卒業制作として取り組んだ、トースターを分解し、その分解した部品を自ら作る過程が書かれています。

それは部品を買って集めるのではなく、すべて原料から作り上げるお話。部品を作るために採掘・溶解・精錬と行っていきます。
ゼロから作ることが如何に困難であり、どのようにできているかもわかっていないこと、一方、既製品であるトースター自体は1,000円で購入できてしまうという事実はとても考えさせられます。

今の時代、どうやってモノが出来ているのかを知る機会は少なくなっていると思います。例えば壊れたら修理するよりも買った方が安くて早かったりする世の中です。壊れた原因を考えて、自ら直そうとする人は今ではあまり見かけないのではないでしょうか。

気づけば身の回りモノは、どのように作られていて、どのように動いているかなど全くわからないものばかりです。だけどそれを何の疑いもなく使っている。いや、むしろ使われている状態になっているのかもしれません。

100年後の今でも色褪せない明治の文豪 芥川龍之介

最近、100年前にあたる明治の文豪にハマっています。
特に芥川 龍之介氏に関しては、この2週間で20作品ほど読了しました。

今、読むからこそ感じる趣しろさがあり、例えば「桃太郎」は、素直に見るとこういう物語なのか!とある意味、ユーモアを感じました。一方、彼の後期の作品「河童」は、芥川氏が見る人間社会はこうなのか?と氏の内面のナニカを感じざるを得られません。

別の視点では100年経った今も、まるで同じ時代を生きているかのように読めることに驚きも感じます。

先日、NHKスペシャルを見ている時、本の編集者が作家に「100年後も読まれる本を書いてください…」そんなことを言っていました。

100年後に読まれる本というのは?まさに今自分が経験している状態だったこともあり、本に限らず創作活動をする上で大事な視点になりそうです。

少し長くなりましたが、私は趣味を通じて、各々自らの考えを安心して言い合え、新鮮な学びが得られる空間が本当に楽しくて仕方ないのです。だからこそ「読書しない読書会」を誰よりも楽しみにして開催しています。

これからも月に1回のペースで企画していくつもりです。

3月は池袋と新宿で開催しますし、4月以降は東京以外の主要都市でも開催を企画しています。

これからも「本」を通じて一緒に楽しい時間を過ごせることを楽しみにしています。

参加者の感想シェア

普段自分がたたない書棚に行くことで、何を買おう、どんな発見をしよう、と積極的な本選びができました。何より、みなさんの選んだ本についてのコメントが示唆に富んでいて、そんな本があるんだ、とさらに楽しくなりました。
今日は貴重な機会を頂き、ありがとうございました。

参加した人の話がいつも興味深く、本を買う以上に勉強になります。

今回も新たな気付きがあり、よい刺激を得ることが出来ました。
毎回新たな心境で望めます。
下手な自己啓発セミナーより、有益な時間になりました。
素晴らしい企画を有難うございます

知らない本、作家、芸術家等々の名前、作品が一杯で、皆さんの会話を録音しておきたかったくらいです。こちらの読書会は予習の様な感じなので、実際に読んでみた感想を復習として皆さんに聴いてみたいところです。
自分と同じ様な本の好みの方が周りにいないので、自然科学系の本に絞ったこの様な企画があると嬉しいです。無ければいつか自分で企画してみたいな〜と思ったりしています。
人生の時間は限られているので読める本も限られているから、本を選ぶ行為は、その人の人生を表わしているかもしれませんね。今日は楽しかったです。ありがとうごさいました。

1つの分野だと思っていたものが、他に幅広く枝分かれしていると知ったのがとても面白ろかったです。

普段とは違う視点での本選びが刺激的でした。あえて足が向かないコーナーで自分を追い込むのはこういう会がなかったらできなかったと思います。また、他の参加者の方々の本選びのプロセスの話も大変興味深かったです。また、是非参加させて頂けはればと思います。

 

▼2017年3月の「読書しない読書会」

2017年3月5日(日) ジュンク堂 池袋本店

2017年3月26日(日)  ブックファースト新宿店