本を選ぶ「理由」の魅力

第24回 読書しない読書会
今回の「読書しない読書会」は、紀伊國屋書店 新宿本店で開催しました。

毎回思うことですが、今回は特に、あっという間に時間が過ぎた気がしました。それだけ、充実しており、夢のような時間を過ごすことができました。ありがとうございます!

今回は、参加者の方の感想をご紹介しながら、私が考えたことを書き綴っていこうと思います。

無意識に目的を考えている?!

参加してとてもよかったです。参加されたみなさま、それぞれのユニークかつ明快な意見が聞けたのも楽しかったです。また、何も目的を持たず普段立ち寄らないコーナーに行くことの楽しさを知ってしまいました。 訪れたコーナーでは、童心に返ったかのように、子供の頃疑問に思っていたことが、たくさんの本になっており、選ぶのに迷いました。脳が活性化され、心がリフレッシュしました。 また、参加したいです。ありがとうございました!

この方の感想にあるように、「童心に返ったかのような」体験をしていただけたことが、私自身、嬉しく思いました。

また、「脳が活性化され、心がリフレッシュした」とも。これは、目的を持たずに普段立ち寄らないコーナーに行くことで、琴線に触れる何かに脳が無意識に反応し、脳が活性化されているのかもしれません。(この件については科学的な裏付けがないか調査しようと考えてます。)

例えば、無人島に何も持たずに辿り着いたとして、なんとかするしかない状況でどのように過ごすか、過ごせるのか、と必死になって無意識に考える体験と似ているのではないかと思いました。

おそらく、この会に参加したみなさんは、会が終了すると脳がほどよく疲れているのではないでしょうか。そんな時には、帰宅してお昼寝するのも、休日の過ごし方としてはよいのではないかと思ったりします。私もこの会を始めたばかりの頃は、会が終わった後の疲れはひどく、100%昼寝をしていました。

もちろん、主催者として進行をしたり、みなさんのプレゼンに対して伝えたいことを一生懸命に言葉にしているから、ということもありますが、参加者のみなさんと同じように私も本を選ぶ体験をしていることもあるのでしょう。

自分にとっての課題を認識する

また、「本を選ぶ体験」というと、今回「デザインのデザイン」という本を購入し、その理由を「デザイナーがどのように課題を捉え、その課題を解決するためにどのような過程を経て、デザインに落とし込んでいるのか知りたかったから」と話してくださった方がいらっしゃいました。

「デザインのデザイン」:原研哉 著

そのお話を聞いて、私は思わず「デザイナーが行っているその過程を、まさに今、してるじゃないですか!」とお伝えしました。

デザイナーは
課題を捉える > 課題を解決するためのデザインを試行錯誤して考え・作り上げていく > デザインを完成させる
このような手順で仕事を進めていきます。

「読書しない読書会」で行っているのは、
気になる本を選ぶ ≒ 課題を捉える > 課題(選んだ理由)を深く考える
という体験をし、アウトプットとして数多くある本の中から数冊を購入して頂いてます。

実は、気になる本を選ぶということは、潜在的に課題意識のあるテーマの本を選んでいることが多くあります。つまり実際にその本を手にとることで、自分が何に課題感を持っていたのかを知ることになります。

この本を選んだ方は、「たしかにそうですね。」と嬉しそうにおっしゃっていたのが、印象に残っています。

他には参加者のお一人から「一人ひとりの発表に対する、三田さんのコメントの内容が参考になりました。」という感想もいただきました。私のコメントに注目するとは、面白い視点だなと思ったのと同時に、良い運営が出来ているのかなと思い、とても嬉しかったです。

そして、いつもご参加いただいている方からこんな感想をいただきました!

今回もすばらしい会をありがとうございました。
私以外は初参加という方々で、どんな展開になるのか? という楽しみも持ちつつ参加しました。

いつもどのコーナーに行っても、実用的な本だったりHOWTO系の本が気になって購入するのですが、今回はそれらの本はまったく気にならず、完全に自分の趣味というか自分事の本(癒し系)が気になり手に取りました。

イベント後半のシェアする時間になって、選らんだ理由を振り返り、改めて「ココ最近仕事が詰まっていて、疲れている自分」に気づきました。 だから、いつもの実用的な本ではなく、癒し系の本を選んだのだと。。。。理由に気づかされた瞬間でした。
自分だけではなかなか気づかない事を「本を選ぶという行動」で気づくことが出来て、おかげさまで今朝は気分スッキリです(笑) 初参加の方々も、それぞれの視点で選んだ理由を説明されていて、世代も環境も異なる方々の視点はとても参考になりました。

下手なマーケッティングセミナーより、ユーザーの視点の情報を得ることが出来ますよ。 また、会自体は回数を重ねていますが、毎回が独立しているので、初参加でも気兼ねなく参加できる会に成長していますね。

今回の初参加の方々の「違和感なく溶け込んでいる様子」をみて改めてそう感じました。
素敵な時間をありがとうございました。

毎回、いろいろな発見をされているのが素晴らしいです!

この方も本を選ぶことで「スッキリ体験」をされています。「初参加の方々が違和感なく、溶け込んでいる様子だった」と書いていただいていますが、これは私も同じように思いました。今回で24回目の開催ということで、さすがに私も多少余裕を持って運営が行えるようなっているのかもしれません。

ついに「しおり」が完成!!

このようにさまざまな方との出会いがあった今回、私から参加者のみなさんへサプライズを用意しました!!私が製作した「しおり」を配布したのです!(製作のヒントになった本との出会いは6月の読書しない読書会でした。( https://actiba.net/2017-0604/)でも語っていました。)

しおり

しおりは、書店でも手に入らなかったり、手に入ってもデザインが好みのものでないことばかり。またわざわざ買うほどでもないような存在なのかなと。それであれば使っても良いかなと思えるようなしおりを作って配りたいなと。

何と言っても本を購入していただくことイベントなので、すぐ使えるのも嬉しいのではないかなと。しっかりとした紙質を使用し、デザインには「読書しない読書会」のロゴのほか、私が主催しているほかのイベントのロゴも入れてみました。これには、是非ほかのイベントにも参加いただきたい、という思いが込められています。

これからもイベントに参加してくださった方に配布していく予定です。お楽しみに!!

私が選んだ書籍とその理由をご紹介!

それでは、いつものように今回、私が購入した3冊の本をご紹介します。
今回、私は「ビジネス・社会・就職・人文」へ足を運びました。

そこには、マーケティングや経営関係の本が多く並んでいました。マーケティングの仕事に従事している私としては、コーナーの多くを占めるノウハウ本はもはや過去の内容なので真似てもしかたないし、本質(大事なポイント)に意識をして読むとどれもメッセージは一緒だなー、という思いもあり、改めてこのジャンルの本を読んでみようという気持ちになれないままでいました。むしろ、自分がこの手のジャンルで本を書くとしたらどういう本を書くだろう、と考えるきっかけになりました。

ハッと気づくと残り時間が少なくなってしまっており、そこから時間内で以下の3冊を選びました。


古代マヤ・アステカ不可思議大全

まず、最初に選んだのがこの本。

私は先月、メキシコに行ってきました。現地で色々見て回った後に、感じたことや疑問に思ったことをWebで検索して調べてみたが、情報が少なく、しかも細切れで歴史の流れが上手く理解できませんでした。これなら言葉が読めなくても現地の博物館のほうがメキシコについて詳しく知ることができたぞと思っていました。

そんな中で派手な表紙が目を引き、この本を手にとって開いてみると、本からはみ出そうなくらいのイラストが描かれており、強烈なインパクトです!

Webではできない、紙だからこその表現方法がされており、まためくることを通して流れや繋がりを理解できる感じが気に入りました。
また、文章も「◯◯と言われている」など、事実と断定できる情報かどうかをきちんと切り分けて表現しており、幾つかの説を書いてくれているのも好印象でした。

日本酒 (FOOD DICTIONARY)

今年に入ってから、日本酒をよく飲んでおり、しかも寝る前に飲んでいたためにどんどんと体重が増加してしまい、今ではやめようと思っている日本酒。しかし今回、この本を手に取ってしまいました。

日本各地の日本酒の銘柄が載っているのですが、東京で買えるかというとそうではなく、その土地でしか販売されていない日本酒もあり、日本酒を味わうために日本各地を訪れるのもいいかもと思ってしまいました。

なかなか日本酒はやめられなさそうです(笑)

マイクロバイオームの世界――あなたの中と表面と周りにいる何兆もの微生物たち

「マイクロバイオーム」という言葉を聞いたことがありますか?

体内に棲息しているマイクローブ(微生物)の集合体のことをいい、簡単に言ってしまば「菌の集まり」のことです。

最近、乳酸菌などで腸内環境をよくする、というのが流行っていますが、私自身も腸内環境を整えたことで体の調子がよくなった経験があり、今回この本が気になりました。私たちの身体に影響を与えているマイクロバイオームについて、感覚だけでなくしっかりと勉強してみたいと思います。

さいごに

本を選ぶ「理由」を考えることを通して得られるさまざまな感覚。
また「理由」をきっかけに始まるコミュニケーションにずっと病みつきです。

次回の読書しない読書会は、9月10日(日)にジュンク堂 池袋本店で開催します。
たくさんのご参加、お待ちしています!